黒蜴蝶

というわけで、更新再開一発目は、このバンドのCDのネタで。

僕は2年前、手持ちのCDを一端全て処分してしまったのですが、このバンドは密かに大好きだったのです。実は数少ないXフォロワーの一つであり、またその中でも最も魅力的なバンドの一つだったように思います。

とはいえ、デビュー作「帝王切開」は、当初の印象は正直キツかった…Xに加えてGASTUNKが好きというのはとにかく分かるものの、ギターが弾けてないという印象がキツく、洋モノのメタルと比べるとどうしても…という印象が否めませんでした。

そんな印象が一変したのは、やはり次のミニアルバム「遺書剥奪」でしょう。全ての面で進歩、洗練され、とにかく何回も繰り返し夢中で楽しめる内容となってます。ギターソロも、フレージングそのものには依然拙さを感じてしまうものの、かなり流麗に弾けるようになってるのは本当に驚きました。

実はこのアルバム、諸事情につき一端手放していたのですが、やはり恋しくなり、ヤフオクで落とすべく奮闘していたものの、名曲"Black Arts"収録の3rdプレス盤はさすがに人気が高く、手頃な値段で中々競り落とせず、この際涙を呑むつもりでプレミア価格払うか…と腹括ろうとしていたところに、近所の古本屋の中古CDコーナーにて、なんと300円で発見!!嬉しかったですねぇ…。そして今聞きなおしても、その輝きは当時から全く失われてないように感じます。

ヴォーカルは大槻ケンヂ+GASTUNKBAKIといったタイプで、所謂メタルシンガーではないし決して上手くもないんですが、これがとてつもなく格好良くハマってしまうのが、この手のJ-ROCK+メタルなバンドのいいところでしょう。やっぱりこういうバンドは舶来モノと比べるべきじゃないですね。

上記であまり良く書いてない「帝王切開」も今聴くと、粗いは粗くともヤケクソな勢いに満ち溢れてて、メタルコアなノリでかなり楽しめます。特に後半の強引な展開の組み立てで無理矢理構築したかのような曲がまたたまらなく…(笑)。いや、僕こういうの大好きですから。

ラスト作"綺想曲〜CAPRICCIO"は、技術面では「よくぞここまで…」という進歩を遂げているものの、バンドの方向性では破綻が感じらてしまう内容で、正直キツいものがあるのですが、その前の2作は、今後も末永く愛聴していくことでしょう。

しかし最近はこういう、HELLOWEENの影響下ではないX直系のバンドってめっきりなくなってしまいましたね…。僕自身のツボにハマるものがないってだけなのかもしれませんが。ROCKET QUEENは世界観がなじめず、GALEONは僕好みの速いパワーメタルナンバーが少なく、VRAINは速い曲はあれどパワーメタルっぽくなさげだし、SEX-Virgin Killerはサンプル聴いた限りヴォーカルが…。なんかないかなぁと思うのですが。