ASIA

最近ちょっとしたマイブームとなっているバンドの一つに、ASIAがある。

元々1stと"Aqua"、"Arena"はうちにあったのだけど、正直どれもピンと来ず、放置状態だった・・・のは、まだまだファスト&ヘヴィ&ブルータル至上主義から脱却できなかった頃の話。日本で「産業ロック」という差別用語でもってレッテルを貼られた、言わばメロディックでポップな大衆向けハードロックに急に嗜好が傾いたことが切っ掛けで、このASIAにも興味が向き、2nd"Alpha"、3rd"Astra"も購入した次第だ。

ASIAといえば、プログレ界のスーパースターが集結したスーパーバンドであり、同時に、その商業主義っぷりさゆえに、プログレ人からの強烈な非難や蔑視も受けてきたバンド・・・というのが、元々の僕の認識だった。だからこそ、今回僕は興味を向けた。そーいう偏屈な人種が嫌う音楽、普通の人が普通に楽しめる"最高級"の音楽こそ、今の僕が心底必要としてるものなので。いやだってさあ、心のお医者さんからもはっきり言われちゃったからね、「イデオロギーで音楽を嗜むのはやめるべき」と。音楽の持つ精神性とイデオロギーって直結だろうし・・・まあ、それはさておき。

言わば"4分プログレ"とでも形容出来そうな、濃厚な作り込み短い時間に見事にまとめ上げるテクニカルロックのスタイルを確立した1stを基礎とし、2nd、3rdと進むごとに段階的によりキャッチーに、よりポップになっていく感じでしょうか。しかしそこに安易なものは一切感じられることはなく、完璧主義が伺える隙のない仕上がりになっているのは、率直に凄いじゃない。確かにプログレッシブという言葉はそぐわないかもしれないけど、そもそも進化やら革新やらって概念にあまりに幻想を抱きすぎてないか?ある種のロックファンな人たちは。次から次へともっともっと新しいもの新しいもの・・・って、ただ単に飽きっぽいだけとも取れるんじゃない?まあ、ロックで飯食ってるライターとかにすれば、そう煽りでもしなきゃ商売にならないんだろうけどさ(苦笑)。

とりあえず1stから3rdまでは甲乙つけがたく、まんべんなく心行くまで楽しめるのだけど、強いて特に好きな曲を挙げるなら、1stは"Sole Survivor"、2ndは"Never in a Million Years"、"Eye to Eye"、"True Colors"、3rdは"Go!"、"Hard on Me"、"After the War"ってところでしょうか?1stからの曲は少ないけど、まあそれだけ今の僕の嗜好がポップになっているということで。

なお、解散〜再結成を経てリリースされた"Aqua"となると、ポップ云々を通り越してさすがに落ち着きすぎの感が否めないのだけど、部分的には結構オっと感じたりも。"Arena"は、ラックの奥に隠れてるんだよな・・・暇見て発掘して聴きこみます(汗)。