エクスマキナの感想

先に公開された曽利文彦の「ベクシル」と、設計思想をはっきりと異なるものにしてるのがよく分かる。前作「APPLESEED」の制作にあたっての主旨が、3DCG映画の可能性を探求していたものだとするなら、「ベクシル」はその正統な後継者。限られたコストで、人物の動き一つも含めてどれだけ自然な表現を突き詰められるかというストイックさが見受けられた。それに対して、本家の続編のこちらは、開き直って現在ある技術でエンターテインメントに徹した作り。もうトレーラーからして、派手さ最優先のチープな人物の動きが失笑モノだったけど、本編もやっぱりそうでした(笑)。さすがに前作よりは進歩しているものの、それでも人物の動作は本当に最低限のものしか表現してないし、そしてこれが意外だったのだけど、アクション部分にもアレな箇所が見受けられる。前半、特に冒頭のバイクに乗ったデュナンが工事用ランドメイトと闘うシーンの安っぽさといったら…。重量感云々以前に、なんか動きにデティールが欠落しているように感じたのは、僕だけだろうか?いくら派手に立ち回るといっても、子供だましなマネされれば、目ざとい観客には一発で分かる。

その分、映画としてのまとまりの良さは「ベクシル」とは比べ物にならないほど。なんか、凄い使い古された演出や展開、アクションの寄せ集めではあるものの、それを咎められるのはあくまで実写、セルアニメでの話であり、フル3DCGというまだチャレンジャーな領域にいる分野においては、表現の引き出しを増やしていくという意味でもまだまだ許容されてもいいものだし、無理を押してないということは、安定感にもつながるということ。それが作品のコンセプトそのものにもつながっているように思えるので、「こういうもの」と考えるべきじゃないか。

その上で、ラストは王道を行く熱い熱いアクションが炸裂する。中枢部の閉まりつつあるゲート前に待ち構える、レーザー砲装備のボスキャラ数体とランドメイトとの戦いはなかなか熱い!!グラディウス沙羅曼蛇チックでもあり、シューターにとって大変燃える展開だし、最近だと「トランスフォーマー」のノリにも近い。この辺が好きな人ならば、必見じゃないかなと。

なお、こんな作りゆえ、原作の尊重云々なんて微塵でも期待する方が愚かなんであしからず。純粋な映像化としてはかなり非難の声も強かった前作どころの話じゃない。ハリウッドのバカ映画の域に達してますから。マシンガン両手に敵地のど真ん中に窓から特攻してあたりかまわず撃ちまくるブリアレオス&デュナンからして爆笑ものだし。あと感情が抑制されたバイオロイドのはずなのに、ブリアレオスに闘志を燃やしてデュナンを横取りする気満々のテリオスとかも。もうこれ、SFというより単なる近未来クライムアクション。でも…「ベクシル」がSFとしてかなり荒唐無稽なことになっていた分、ここまで割り切れてるのは逆にいいんじゃないかなと。そもそも原作者の士郎正宗自体、前作の時から「技術の発展のため自作を生かしてくれるのならばこれ幸い」みたいなコメントを残しつづけてますし、ましてや、あの前作にして今作の制作にも関わっているわけでね。原作者が事実上容認の立場を表明している以上、外野があれこれ言えるもんじゃありませんわな。ならば、原作派も「別モノ」と観るべきだし、またそう割り切ることも容易じゃないかな。

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・3D格闘ツール 続・若き日の過ち
http://www.nicovideo.jp/watch/sm930541

あーこーゆーのよくあるよねー、RPGツクールで作りかけたまま放置してたとか、僕もPC-88のヨコスカウォーズで散々ワケの分からない代物を作ったりしたよ…という、若き日の甘酸っぱさを味わうためのネタかと思ったら、とんでもなかったです。とりあえずラストまで見てください。まあ、小学生イズム炸裂なのは変わりないんだけど(笑)。

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エクスメディア倒産
http://www.rbbtoday.com/news/20071031/46072.html

「超図解」シリーズは、僕も多分1冊か2冊買ってるんじゃないかな。Excelあたりで。特に入門の段階は、Webより書籍の方が飲み込みやすいと思うんですけどね

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本日のBGM:"Singulatiry"Peter Hammill

1週間前なんで、そろそろちったあ予習しとかんといかんですな。音源ってこの1枚しか持ってないわけだけど(笑)。こんな一見客が足運んでいいのかしら。