幻すぎて夢にすら見なかった

一枚がついにCDとして手元に到着。

・"Bravo Johnnyは今夜もHappy End α"KENZI

これまでもEP集などで、駆け出し期のKENZI(AND THE TRIPS)の神がかった素晴らしさを堪能してきたわけだけど、この1stフルアルバムも期待に違うことなくやはり素晴らしい!!このうえなくクレージーでありながらこのうえなくキャッチー、初期衝動を炸裂させながらも演奏力、作曲力の高さは折り紙付き、さらにルックスまで完璧と、ある種のエリート性をも感じさせる。

"Bravo Johnnyは今夜もHappy"は、メジャーでリリースしたバージョンの方がアレンジとかスマートだし、"Bailey"も、ミッドテンポよりも元のスローテンポの方があの歌詞と叫びは胸に突き刺さった。しかし一方"爆竹Girl"、"リーダーをつぶせ"は逆にこちらの方が、言い知れぬ気迫がこもってて凄い。凄すぎてはっきり言って怖い。すんごい歌声だもの。初期のやぶれかぶれさから、後の高い歌唱力を押し出していく過程で生まれた、その二つが両立してしまったまさしく奇跡の一瞬。このエネルギッシュさは、90年以降のブームで乱立したパンクバンドには絶対に成しえないものだと思う。別に最近や今のバンドが劣ってるとは思ってないけど、でもこれだけ衝動を音で爆発させられるのは、本当にこの時期のバンドならではの武器だったよ。なにせ、何もない中でみんなそれだけを頼りに道を切り開いてったわけだしね。

しかしなんというか…歌詞が下半身関係多いなぁ(笑)。シングルでも"Oh!My Cat"というそっち方面の名曲があったわけだけど、そーいうのが全編に渡ってるというか。「衝動」ってどういう曲だろうと思ってたら、下半身の衝動かよ!!この時期のこのバンドを取り巻いてた状況が垣間見える感じですな。でもその上でピュアなのがとてもいい。メタル方面でありがちな「今夜の俺の相手はおまえだ」みたいな、女の子を上から見下したようなもんじゃなく、ただ愛したいんだ!やりたいんだ!と、その一途な思いで突っ走ってたのは明らか。現在までの活動でも、そんなアティテュードを見事に一貫し、証明してるしね。デビュー20年以上経ってもなお、斜めに構えることなく、テンション下げることもなく、ひたすらまっすぐに思いを訴えかけられるのは、本当に素晴らしいですよ。

デジタルリマスタリングしてあるとはいえ、今日的価値観からすると音質はやはり厳しい。その辺は、当時フルアルバムを小さい資本で作ることが、日本じゃどれだけ厳しいことだったかを踏まえてもらうしかない。その上で、オーバーグラウンドまで勢いを伸ばしていた当時の日本のパンクを知るには、やっぱりとてつもなく重要な一枚だ。だもんで、興味を持った人には一人でも多く聴いて欲しい…のだけど、やはり通販オンリーという敷居の高さがタマにキズですね…。なんとかならないものでしょうか。

余談その1:言い忘れてましたが、このバンドにはピロウズでの活動で知られる上田ケンジとシンイチロウが主要メンバーとして在籍してました。このアルバムにももちろん参加してます。こう説明しといた方が、今の人たちには通りがいいのかな。それにしても、活動当初は「元KENZI AND THE TRIPS」という看板付きだったピロウズが、まさかこんなに人気が出るとは…。

-

こんな凄いアルバム聴いてたら、手放しちゃった初期EP集とかもまた買い直したい衝動にかられて…ポチっちゃった…(苦笑)。

・"奴をマークしろ!+10TRACKS"KENZI

今初期EPを聴くとなると何買えばいいんだんべと思い調べてみたところ、どうやらこれに全部パックされて復刻となったようで。上記"Bravo Johnny〜"とこのCDを買えば、第一期インディーズ時代のKENZI(AND THE TRIPS)の音源は全て揃う算段となる。

以前のEP集もそうだったけど、本作での目玉は(再結成後のリメイクは除いて)ここでしか聴けないスタジオ音源が満載されてること。中でも代表曲の一つ"裏切りのうた"の存在は非常に大きい。昔ファミコン通信にKENZI(AND THE TRIPS)の熱烈なファンの編集者がいて、この曲を猛プッシュしてたこともあったな(笑)。

・裏切りのうた(ライブ)

上記"Bravo Johnny〜"は買うのに敷居高いし、またEP集ということもあって収録曲にスキがないので、KENZI(AND THE TRIPS)入門者は最初にこれ聴くのが一番いいと思う。事実上の初期ベストでもあるし、また普通にレコード屋さんに流通してる音源でもあるので買いやすいし(Amazonは今…売り切れだな。僕が買ったからなんですが)。

※「KENZI(AND THE TRIPS)」と、カッコ括りの表記を使用していますが、これはメジャーデビュー時にバンド名が「KENZI」から「KENZI AND THE TRIPS」に変更されてるので、こうしました。

-

今週は体調がすこぶる悪かった上、隣の席のジイサンがもうムカついてムカついて、正直通勤するのも辛いくらいだったんですが、これらのアルバムのおかげでなんとか乗り切れましたわ…。しかししんどかった…。

-

・3分ゲームコンテスト休止

http://3punge.com/20080203.txt

プンゲはオーダンさん関係で少し覗いていたけど、でもまあ、僕は2ちゃんは某スレッドを除いて閲覧してないし、だからこのコンテストについてもあまり詳しくないし、何より

>叩かれている人は、何を悪い事をしたんだ?
>きららさんの“作品”の燃料は、人の不幸じゃないのか?

こういった暴力性の存在は、2ちゃんを含む匿名媒体自体がずーっとずーっとはらんできて、批判もされてきた問題だし、その2ちゃんの中でやるコンテストなのだから、それも「持ち味」「魅力」の一つと踏まえて作品を作る人が出てきても当然っちゃー当然じゃないかねと。俺なんかはもう、相変わらずデリカシーゼロの嫌な世界だとしか思えないんですけどね。時代遅れに見えるかもしれないけどさ。でもそれゆえにプンゲの参加はこれまでも見送ってきたんで。

これを機会に、2ちゃんから離れて、ちゃんと責任取れる人が運営を担って、なおかつ問題のある参加者は排除できるルールを作るというのはどうでしょ。ていうか、そうしないとそろそろ立ち行かない時期に来てるように見えるのですが。